ハイになる前に

「心ならもう決まってる 僕の前を僕の影が征く」

夏休みの友の絵

9/1、といえば私のような輩は宿題が終わらずにベソかいたクチ

 
夏休みの友はまだあるのかな?
だいたい夏は絵と裁縫をやれというのが織り込まれてて、夏休みの間じゅう滞在していたお祖母ちゃんの家には、わざわざ水彩絵の具セットも裁縫箱も持って行った(お祖母ちゃんの裁縫道具は子供には使いこなせないのである)
 
お絵描き大好きのくせに、描けと言われるとぴたりと描く気が起きないのはこの頃も同様で(成長していない)、とりかかるのはだいたい夏休みも終わりに差し掛かり、ツクツクホーシがやかましくなる頃であった
 
そもそもこの夏休みの友の絵とは多分、夏休みの思い出を描けとかいうものだったと思われるが、私にとって夏休みとは親とどこかへ出かけるものではなく、お祖母ちゃん家で過ごすことそのものだったので、題材に困るわけである
 
その夏休みも、何を描けばよいのか見当もつかない中、ふとお祖母ちゃん家の裏口側のお隣、Fさん宅の塀からわっさりあふれた花に見惚れ、描いてみることにした
 
その時私はまだ、花の名前を知らなかった
大好きだった花の図鑑にも載っていなかった
お祖母ちゃん家では犬走りを述べ何周するか分からんほど一人で遊び倒し、裏口もさんざん通って来たはずなのに、その時になるまで花の存在に気付かなかった
夏休みが始まった頃からこの花あったんかなあ…?なんで今まで気付かんかったっちゃろ、と思った
 
考えたら実際にあるものを自分の意思で描いたのは、あれが最初だったかなあ?いや、分からんけど…
でも最初のはっきりした記憶かもしれない
 
未だに見かけると、どうしてこんな色、姿かたちになったのかと、不思議な気持ちになる
 
花びらは風になびいています